
イグニッションキーをONにする
ニュートラルランプの点灯と共に
YPVSの作動音が聞こえる
ガソリンコックをONにし
左手でチョークを引き
キックアームを蹴ると
乾いた排気音と共にエンジンが目覚める
暫しの暖気の後
ブリッピングをすると
2本のチャンバーから高周波が・・・
近所のおばさんが顔をしかめる音だ
愛車に跨りギヤをローへ
エンジンの回転を上げクラッチミート
アスファルトを蹴り出すように
車体が身震いしながら加速する
YAMAHA伝統パラレルツインエンジンの最終形
YPVSにより2サイクル特有のトルクの谷も影を潜め
低中速域のトルクの厚さでパワーカーブはフラット気味か
しかし・・・
6,000回転を過ぎパワーバンドに入ると
みるみるパワーが太くなり
背後にオイルの焼ける臭いと若干の白煙を残し
10,000回転まで一気に加速する
チャンバーから吐き出される歓喜の音
急激に流れ去る風景
その加速感は
まさしく官能的だ
暴力的なまでに官能的なのだ
ワインディングロードを疾走する
コーナーが迫る
ブレーキング
ラジアルポンプのストッピングパワーは申し分ない
Fサスが沈み
重心が前方へ移る
綺麗に回転を合わせシフトダウン
ブリーキをリリース
Fサスが伸び
重心が後方へ
車体がバンクを始め
スロットルはパーシャル
スイングアームとモノサス
Rタイヤがアスファルトをグリップし
接地感が増す
クリッピングポイントを過ぎ
フルスロットル
パワーバンドに入り
加速
次のコーナーへ
まさしく水を得た魚
2サイクルパラレルツイン
最高速は以外に伸びないが
オートバイを駆る喜びに溢れている
常用スピードが
官能の世界になるのだ
血が沸き立つ
熱くなるのだ
たかだか250ccに満たない小さなエンジン
剛性感のあるトラスフレーム
軽くハイパワーであり
トータルバランスに優れている
が、
入手した時は無残な姿であった
隅々にまで手を入れOH
さらにファインチューニング
それはオートバイとの会話の時間
その時間を通し
単なるオートバイが愛車になるのだ
低く構えたその姿はまるで戦闘機のようだった
重量級高性能リッターバイクの対極にあるようなオートバイ
それが YAMAHA R1-Z だ
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